フェルナンデス大統領(アルゼンチン)

日本では、あまり語られてないもののアルゼンチン経済が、急速に統制色を強めてきています。

2010年以降フェルナンデス大統領が行ってきたこと:

●年金の国有化

●所得税、VAT、輸入関税の増税

●政策的インフレによりM2マネーサプライを3年間で215%増加

●公表政府経済統計の改ざん

●スペイン系オイル会社YPFの国有化

●メディアの統制。直近では、新聞社の財務弱体化を狙った広告出稿停止命令等。


これら一連の保護主義的政策の結果、政府公式インフレ率年10%、実勢インフレ率は、年25%となってしまい、食や燃料や電気等の生活必需品の供給難が起き始めている状態です。

高インフレの中、アルゼンチンペソの購買力も落ちきています。2011年初頭には、1ペソ4ドルだったのが、現在の公式レートは、5ドルとされているものの実勢の非公式交換レートは、8ドルに達していたりするわけです。

約2年間半でアルゼンチン国民は、ドルベースで50%以上の購買力を失った計算となります。

実は、アルゼンチン国民は、2002年の経済危機の際に金融機関により預金封鎖を経験しています。当時は、ドル建て預金を引き下ろせず、引き下ろせた時には、大幅なペソ安になっていて実質的に預金価値の一部を政府に奪い取られています。

今回も多くのアルゼンチン国民は損をしていますが、過去の危機の教訓を活かして政府を盲信せずに外貨を保有する等でしっかり個人の資産を自己防衛をしてきた人はダメージが少なかったでしょう。

遠いアルゼンチンの話ではありますが、国の政策の結果、個人資産が短期間で半分になったりするような事も現実にあったりするので、1つの事例として知っておいて損はないかもしれません。

日本経済は、ずっと長期的円高トレンドが続いていたこともあり普通に生活をしていれば資産が減ることがない大変恵まれた環境にありました。

しかし、今後は円安とインフレが進む可能性があるので、通貨安とインフレが望ましくない方向性で進んだ場合の事例も知っておけば「備えあれば憂い無し」と言えます。