中国で大人気の「理財商品」(Wealth Management Product)という金融商品があります。

通常の定期預金は、元本保証ですが、「理財商品」の7割は元本保証がなく、期間も定期預金と比べると短く、金利が定期よりも良いのが特徴的です。


「理財商品」は、金利が定期預金よりも魅力的なため、少しでも高い利回りを求めて中国人の小口預金者が殺到しているというわけです。

中国では、1年間の定期預金が3%で、政府公表の見込みインフレ率が3.5%であるのに対して「理財商品」は、年間利率が5%の「見込み利率」であったりするので大人気だというわけです。

その人気は凄まじく、例えば、ブルームバーグによると7月4日に招商銀行が売り出した10億元(約161億円)の32日間限定運用の年間利率5.6%の商品は、たった20分で完売しています。

「理財商品」の数は、爆発的な勢いで増えていますが、2013年5月に償還を迎えた2,255件の「理財商品」のうち、「見込み利率」を達成できなかったのは、わずか4件だったそうです。

このように今のところ期待値を上回っているので、中国人預金者の多くは、「理財商品は絶対に安全」と信じ切っているというわけです。

理財商品を積極的に販売する中国の銀行

しかし、世の中に「絶対安心」というものはないので、多くの人が「安心だ。これはいい!」と言っている時ほど実は、用心が必要だったりします。

肝心の銀行は集めたお金で何をしているかというと資金の半分は預金や債券等リスクの低い資産へ振り分け、残りの半分は、リスク度合いが高い株式やデリバティブや地方政府や地方の不動産開発業者への貸付金としています。

集めた資金を見込み利率で運用できていれば何も問題がないわけですが、昨今の中国経済の不況でリスクの高い資産へ振り分けた投資が期待通りの収益を生んでおらず、結果的に償還に伴う資金が足りないという状態に陥っているというわけです。

そして、償還資金が足りないので、新たな「理財商品」を創って売らなければならないという自転車操業状態になってきているため、水面下で「「理財商品」は、「危ない」」と言われ始めているというわけです。

フィッチレーティング社によると「理財商品」の経済規模130兆元(約210兆円)と推定されており、無視できない経済規模となってきています。しかし、これほどの規模にも関わらず詳細が不透明な状態なので、逆に懸念も強まっています。

現在、「理財商品」は、元本保証がされている全体の3割の商品は、銀行の帳簿にも計上されているのですが、残りの7割に関しては、「Off the books(帳簿外)」となっており、帳簿外なので、政府関係者もどう資金が動いているのかを把握しづらいというわけです。


このような状態を見て麻生財務相も「誰も実態がつかめていない状態の経済こそが問題だ。」と述べています。

また、中国銀行の元会長は、「「理財商品」は、原理的には、ポンジースキームと言えるかもしれない。「投資家の「理財商品」への信頼が低下し購買力が衰えたり解約が増えたりすれば突然、音楽が止まってしまう。」と発言しています。

総合的に今は資金が回転しているので良くても今後が懸念される状態だと言えますね。