アマゾン

10月3日にフランスは、「アンチ・アマゾン法案」と呼ばれている法案が下院を圧倒的支持率で通過しました。

この法案は、「送料無料」と「5%までのディスカウント」を組み合わせる事で禁止するものとしており、すべての小売業者及びインターネット通販業者に適用される事になります。

消費者からすれば、送料が無料でディスカウントが5%あるのであれば、インターネットで買い物をしよう、アマゾンで買い物をしようという心理が働きますが、そういった動きを抑制する事を狙ったものだと思われます。


厳密には、アマゾンのみを対象にした法案ではないのですが、実質的には、アマゾンへの政策的な反撃だと解釈されています。

というのもフランスには、3,000店以上の独立系書店があり、アマゾンとの価格競争で経営難に陥っているところも多いからです。

こういった状況を前にフランスの文化省長官等は、6月に批判的な姿勢を見せており、「アマゾンが市場に参入するために価格を下げてほぼ独占状態を築いた後に価格をつり上げるやり方に誰もがウンザリしている。」と述べています。

このようにフランスのような文化大国の場合、「便利だから良い」という市場主義に素直に賛同しない議員や官僚も多かったりします。

しかし、今回のように政府が介入して衰退産業(街の書店)を保護し、成長産業を牽制しても得するのは、衰退傾向にある書店や政府議員や官僚のみで肝心なフランス国民のメリットは、ほとんどなさそうです。

今でもフランス国民の多くは、アマゾンを便利だから利用しているのであって、選択肢がない中、やむを得なく利用しているというわけではないので、これは、成熟した国民の自由意思に任せても良い問題だと言えそうです。


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