日本的経営

日本的経営は、一時、「古い」と批判をされていましたが、代わりに導入した「外資的経営(アメリカ的経営)」での失敗が続いていた事もあり、最近では、日本的経営への回帰が進んでいます。

IT系の新興企業が「生涯雇用」という日本的経営を部分的に導入するといった事例も出てきます。

民族的に培ってきたさまざまな習慣や慣習の上にビジネスというのは、成り立っているので、日本人には、日本的経営が、一番しっくりとくるのかもしれません。

ここでは、日本的経営の何が良いのか、7つのメリットを見ていきたいと思います。

1.  長期的視点で人材育成を見てくれる。

1度採った人材は、時間がかかっても面倒を見るという日本的経営スタンスは、短期間で成果を出せなくても大きなペナルティーにつながる事が少ないのが特徴的です。

長い目で見てくれるため20代や30代で仕事があまりできなくても40代になってようやく目が出る人もいたりします。

長期的スパンで見てくれる組織があるからこそ大器晩成型人材の華が開くというものです。

長期的視点

2.  普通の人やあまり出来ない人にも優しい。

日本的経営の特徴の1つとして「人材に優しい」という点が挙げられます。

欧米外資系企業では、「できる社員のみ残す」というスタンスで動いているのに対して日本的経営では、「普通の人材」であっても頑張っていれば、相応のポジションに就ける仕組みになっていることが多かったりします。

また、「あまり出来ない人材」であってもすぐに見切る事はなく、「あまり出来ない」という事を考慮した上でポジション配置をし、少しでも活躍できるよう配慮してくれる「優しさ」が、システムとして設けられていると言えます。

3.  「飲み」や「課外活動」を通じて同僚や上司との「一体感」を感じやすい。

「会社」という大きな「チーム」に属してみんなで邁進していく日本的経営では、同僚や上司との距離も近く一緒に飲みに行ったりもよくするため「一体感」を感じやすいと言えます。

課外活動が推進されており、同じ職場でさまざまな部活動等が設けられているのも「一体感」を感じやすい理由と言えます。

4.  日本的経営の「お客様精神」は、世界トップクラス

日本人にとっては、日本企業のサービスレベルは、「当たり前」だったりしますが、実は、世界的に見た場合、日本では、「普通」と評価されているサービスでも非常にきめ細やかなサービスを提供していたりします。

ごく普通の会社が行っているごく普通の対応が世界基準で見てみると「相当高いレベル」となっています。

そんな高いレベルのお客様精神を持った組織の一部になれるのは、実は、自らのお客様精神を高いレベルで保てるという効果があります。

日本人経営者や日本人従業員は、高いジャパンスタンダードで自らを律し、お客様精神を日々発揮していると言えます。

もっとも日本人にとっては、「当たり前」の事なので、これをメリットとして認識できるのは、海外赴任になったり海外企業と取引をした時だと言えますが、海外のスタンダードに触れるとジャパンスタンダードのレベルの高さがよくわかるはずです。

5.  終身雇用が前提のため人生設計をしやすい。

日本的経営では、生涯雇用が前提となっているため自分の将来のポジションや待遇を設計しやすいと言えます。

「家庭」と「仕事」が共に「生涯のもの」となることで未来を予見しやすくなり、人生全般のバランスが取りやすくなります。

10年後や20年後が見えづらく、自らの実力で切り開いていく必要がある外資系とは異なる大きなポイントだと言えます。

6.  安定成長している大企業を選べば40年間食べるには困らない可能性が高い。

日本の大企業は、衰退しているという声もあったりしますが、実態としては、衰退している大企業もあれば、成長している大企業もあるという現状があります。

人口減少と共に今後減少していくとされる国内マーケットで「普通に」事業を展開していれば、衰退していくことは避けられません。

しかし、縮小する国内マーケットの中の成長分野を伸ばしたり、海外展開を伸ばしていくことで成長している大企業もあります。

継続的に成長している大企業は、今後も成長していく可能性が高いので、そういった成長していきそうな大企業に入社できれば、今後40年間食べるのに困らない可能性は高いと言えます。

生涯雇用

「大企業に入れば一生安泰」というのは、すべての大企業に当てはまる事ではなくなってきていますが、今でも該当する大企業があるのも事実です。

7.  「成果報酬色」が薄いので、「一体感」を感じやすい

どんなに優秀でも一気に評価が上がらないのが日本的経営の特徴でもあります。

営業職で数百人の中で一番の実績を挙げても「社長賞5万円」という世界だったりします。

また、類稀な実績を挙げても10年前に入社した先輩に待遇や権限では、かなわなかったりします。

特別報酬が少ないのは、スター級社員には、残念な事かもしれませんが、会社側や他の従業員からすれば、その方が「一体感」を感じやすかったりします。

このように成果報酬色を薄め、みんなの待遇に大差がない状況が、組織全体の「安心感」や「一体感」につながっていると言えます。



以上が、「日本的経営の7つの特徴」です。

日本的経営には、理不尽な側面も多々あったりしますが、同じかそれ以上にメリットもたくさんあるというわけです。

また、日本的経営よりも外資系経営に共感する人は、外資系企業で働いたり、海外で働くという選択もあるので、より自分の性格や人生設計に合った道を選べる時代になってきたと言えます。