政府債務は太平洋戦争時を超える

日本政府の総債務残高は、2012年で約1,132兆円、GDP対比で237.92%となり、これは、太平洋戦争末期レベルと言えます。

また、これは、グロスで見た場合の総政府債務残高ですが、政府の金融資産を差し引いた「ネット債務残高」(政府純債務)で見ても2012年時で639兆円、対GDPで134%となっており、ギリシャ(155%)に続く世界第2位とやはり深刻です。


ちなみに「ネット政府債務残高」ランキングで知名度の高い国は、

第5位ポルトガル(112%)

第6位イタリア(103%)

第7位アイルランド(102%)

と何れも大きな財政・金融問題を抱え今後が危ぶまれている国ばかりだったりします。

もちろんこれらの国々は外貨建てで借入をしていて、日本の政府債務は、ほぼすべて自国建てという大きな違いはあります。

自国通貨債務の場合、その価値を自国で経済政策を通じてコントロールできる幅が大きいので、外貨建て債務よりもリスクが少ないというわけです。

このような背景もあり、現時点では、10年国債利回りは、1%を切っており、直近のリスクは極めて低いと言えます。

しかし、自国通貨建てであっても総債務総額がどんどん増えていく事に問題がないわけはなく、過剰な債務は何らかの形で調整を迫られる事になるでしょう。

太平洋戦争時にも自国建て戦時公債や日銀借入で政府は総債務額を増やしていきましたが、最終的には、戦後に凄いインフレに見舞われ、ツケが国民に回った結果、総債務額は圧縮した経緯があるのは、覚えておきたいですね。

もちろん、現在は、戦争中ではないので、太平洋戦争の終わりの時のように一夜にして国や政府の制度すべてが凍結され経済がガラガラポンになったり、物凄いインフレになったりするシナリオは考えづらいものがあります。

しかし、国民が「痛み」をすぐには、感じない形で人為的に、時間をかけてガラガラポンに向かうというシナリオはあり得るわけです。

理論上考えられるのは、政府債務の実質的価値を下げるためのインフレ政策であったり円安政策だったりしますが、直近のアベノミクスの発動で日本政府は、インフレと円安に大きく舵を切ったと言えるでしょう。

インフレと円安と同時に財政再建や経済成長が実現できれば日本経済は、復活するという考えで成り立っているのがアベノミックスですが、財政再建や経済成長が目論み通り進まない可能性もあるので、注意するのに越したことはなさそうですね。