イングランド銀行

イングランド銀行が「インフレレポート2013年8月版」を8月7日に発表しました。「積極的な量的緩和」と「低金利」と「適度なインフレ」が先進国経済のトレンドとなっていおり、米FRBにピッタリと合せる形で英国はその流れを演出し創り出そうとしていると言えます。

Five things we learned from the Bank of England inflation report

http://www.theguardian.com/business/2013/aug/07/bank-england-inflation-report-five-things

1. 金利は、これからも長い間低いまま

イングランド銀行は、2016年までは、金利引き上げを検討しないが、実際、経済が金利上昇に絶えうるのは、2017年や2018年になるかもしれない。失業率が7.8%から7.0%になり、2016年に失業率の見通しが7%以上にならない限り金利は上げない。

イングランド銀行総裁マーク・カーニー氏

2. 現行の景気回復は弱々しい

今年に入ってからの最初6ヶ月間でGDPは、0.9%上昇したが、イングランド銀行は、成長率の実態が弱いのを懸念している。現行GDPは、2008年水準以下であり、金融危機が発生しなければ到達していたであろうGDP水準からは程遠いと言える。失業率が高いので、インフレを引き起こさずに経済を活性化できる余力があると言える。

3. 住宅価格バブルを懸念するのは見当違い

ピーク時に比べると売買件数は、1/3程度になっており、住宅価格は、2008年の高値よりも低いということからまだバブルと呼ぶには程遠い。中央銀行も大手貸出金融機関を監査するようになったので、リスクが高い商習慣は管理でき、2000年代前半に見られた過剰な貸出しが再現される可能性は低い。

イギリス住宅価格推移

4. インフレを心配する必要はない

インフレレポートに明記されていた内容ではないが、行間を読んでみた。現在、マネタリー政策委員会の方でインフレは常にモニターしており、問題視されている上昇中の賃金や2.9%と言われるインフレ率(ターゲットである2%を大幅に超えた)の原因は、電車交通費の上昇と市場で過半数のシェアを占めている生活インフラ(水やガス)のサプライヤーによる価格上昇が要因。

5. さらなる量的緩和が実施されるかも

今後の金利に関するイングランド銀行のガイダンスとしては、「現行の高い刺激を受けた状態(current highly stimulative stance)を維持したマネタリー政策を維持していく」と述べた上で(量的緩和を)さらに拡大していく可能性も示唆した。中央銀行がさらなる金利引き下げに踏み切る可能性は低いが、量的緩和幅を拡大させる可能性はある。貸出しを促進するため金融システムへ3,750億ポンド(5,810億ドル=約58兆1,000億円)を注入してきたが、一部アナリストは、4,250億ポンド(6,584億ドル=約65兆8,400億円)まで引き上げる必要があると指摘している。

イギリスの通貨ポンド

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