邱永漢の記事一覧

Sapporo

出典:Wikimedia-Commons

2003年頃から「サラリーマン大家さん」というキーワードが流行り始め、サラリーマンでも不動産投資をする人が少しずつ著書を出版するようになりました。

その背景としては、デフレ下の日本経済では、定期預金でも株式投資でもほとんどリターンが得られないという中(株式投資に関しては、やり方によると言えますが、ここでは、日経平均で考えた場合とします)、不動産投資では、安定的なリターンが確保できたためです。

また、サラリーマンという信用力を活かして低金利で借入をすることが出来る環境もその流れを加速させる一要因だったと言えます。

「1967年の日本の不動産の利回りはどれくらいだったのか?というのを邱永漢の著書「新・借金学入門」から読み取ってみた。」の続きを読む »

日本

邱永漢「マネーゲーム敗れたり」

故人・邱永漢氏の「マネーゲーム敗れたり」(99年)という著書を読み返していて10年後のリーマンショック後を的確に予見していたのを知り驚きました。

何を予見したかというと米国経済は、バブルエコノミーなので行き詰まって政府が紙幣を刷る形で民間企業を救済しなければならなくなるだろうという事を99年に書いているわけです。

「ドラッグストアに毛の生えた程度の小さな銀行で起こった取り付け騒ぎなら、政府が保証した1人当たり10万ドルの払い戻しを政府の責任で実行すれば事足りるだろうが、アメリカを代表するような一流銀行や証券会社が店じまいをするのを政府が傍観しておられるだろうか。」(p.196)

→実際、2008年に米国を代表する金融機関が倒産危機に見舞われた際に米国政府は、Too big to fail(被害が大き過ぎて潰せない)という判断の下、AIGやシティグループやJPモルガンチェースやモルガンスタンレーに公的資本を注入しています。

「この際の唯一の、そして有効な方法は、銀行の債務を政府が肩代わりすることである。政府が肩代わりするということは、銀行が損をして支払えなくなった糞を政府が紙幣を印刷して代わりに支払うということだから、不良少年がラスベガスで不始末をした分を親が尻拭いをするようなものであろう。」(p.197)

→2008年の民間企業救済と同時に米政府は、量的緩和を積極的に実施し、QEIで1.725兆ドル、QEIIで6000億ドル、「無制限量的緩和」と呼ばれてきたQEIIIは2012年9月に月400億ドルから始まり、2012年12月以降は、月850億ドルの緩和に踏み切っています。

「お金の神様」と呼ばれた邱永漢氏ですが、10年先を見通す眼力は物凄いものがあったと言えますね。

 

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