IRSの記事一覧

auditanalytics

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会計に関するリサーチ情報を提供しているアメリカのオーディットアナリティックス社によれば、海外で未課税となっている米国の上位1,000社の法人利益総額は、2013年度に2.1兆ドル(約210兆円)になったとのことです。

「海外で未課税となっている米国企業の法人利益は、総額2.1兆ドル(約210兆円)に!過去5年間で約2倍に!」の続きを読む »

アメリカ

American Citizenship

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ウォールストリート・ジャーナルによれば、アメリカ国籍(グリーン・カードを含む)を放棄した人の数は、2013年に2,999人に達し、史上最多記録であった2011年の1,781人を更新したとの事です。

「アメリカ国籍(米国国籍)を放棄した人は、2013年に2,999人に。まだまだ少ないけれど、過去最多を更新中。」の続きを読む »

アメリカ

最近、米国では、内部告発という形で大きなリスクに踏み切ったところ、結果的に相応の金銭的対価を得る内部告発者も増えてきたということを書きましたが、最後まで金銭的対価を得ていない告発者というのもやはりいました。

ここでは、ミネソタのポンジ・スキームを暴いたタイ・スクロボーム氏(Ty Schlobohm)を紹介したいと思います。

タイ・スクロボーム氏(Ty Schlobohm)

FBI捜索に協力したミネソタの告発者タイ・スクロボーム氏

スクロボーム氏は、トレヴァー・クック氏(Trevor Cook)の推定1億6,000万ドル(約160億円)と言われるポンジ・スキーム解体で一役を買って「正義の味方」として有名になりました。

ポンジ・スキームというのは、詐欺の一種で出資金を集めた上で後からの出資金を先行した出資者に返還し最終的に破綻する仕組みの事を指します。

トレヴァー・クック氏も「外貨投資」「年利10〜12%」と称して2007年〜2009年の間に約1,000人から1億6,000万ドル(約160億円)を集め、集めた資金を先行して投資していた出資者に返還したり自身のギャンブルの借金返済に当てたりしていたとのことです。

トレヴァークック犯人

実刑25年が確定したポンジー・スキームを運営していたトレヴァー・クック主犯

スクロボーム氏は、投資銀行勤務で金融業界の知識が豊富だったためすぐにクック氏の投資スキームが実態のないものだとすぐわかったとのことです。

ポンジ・スキームであることの証拠を集めるためにスクロボーム氏は、ワイヤーを着用したり情報収集をしたりしながらFBIの捜索に協力していきました。時間を割く必要が出てきたため雇用主であるの投資銀行上司とも相談をした上で円満退社をし、2009年後半から本件に集中していたそうです。

その結果、十分な証拠が揃い、クック氏の逮捕が確定しました。

クック氏は逮捕されたものの1億6,000万ドルの内、2010年10月の段階で900万ドルしか回収ができておらず、投資家の被害は免れませんでしたが、さらに被害が拡大していたのを防げたと言えます。

最終的にクック氏は、郵送詐欺容疑と脱税容疑で懲役25年の実刑が確定し、事件は、終了したという経緯です。

スクロボーム氏は属していた組織を内部告発したわけではないので、厳密には、「内部告発者」というよりも「告発者」というのが的確ですね。

捜索協力で対価を得ていない理由は、ホイッスルブロワー関連の法律改正があったのが、事件後だったためです。

米国ドッドフランク法は、2010年の夏に改正され、その中には、内部告発者保護の姿勢を強める項目や投資詐欺の告発を促す項目がありました。

改正後の法案では、100万ドル超の資金回収分に関しては、S.E.C.やC.F.T.C.が30%を上限値として協力者に報酬を支払えるようになりました。その結果、「内部告発者は新しい賞金稼ぎ」とさえ言われるようになったというわけです。

しかし、スクロボーム氏の捜索協力は、法律改正前の2009年に発生したため対象外でした。

別途、米国国税庁の方のプログラム(回収された税金や追加徴税分から200万ドル以上の30%が対価として支払われる)には該当する可能性があるということがわかり、現在、専門の弁護士とIRSに打診中との事です。

「報酬をもらえるのであれば、嬉しい。だけど、そのために行ったわけじゃない。」

「目の前の人たちを助けられるチャンスだと思った。」

とスクロボーム氏は語っています。

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アメリカ, 内部告発

リヒテンシュタイン

タックスヘイブンとして知られるリヒテンシュタインの銀行が10年間に渡り海外口座情報を申告していなかった数百人の米国人の脱税を結果的に支援したとして米国のIRS(内国歳入庁)に2,380万(約23億8,000万円)を支払うことで合意しました

2,380万ドルの内訳としては、1,630万ドルは、無申告口座維持から発生した収入の「没収」として、750万ドルは、「返還」扱いとなるそうです。

銀行側の姿勢が協力的だったため刑事訴訟へは発展しないということです。

2006年の段階で900件の米国人の無申告口座があり、3億4,000万ドル(約340億円)の無申告財産があったそうです。

リヒテンシュタインの銀行は、200件以上の顧客情報を司法省へ提出することで和解をしました。

今回の事件は、米国IRSが、タックスヘイブン対策に本気だというメッセージの1つだと受け止められるでしょう。

該当するリヒテンシュタインの銀行(金融機関名は明記されていません)は、IRSへ迅速に協力できた「模範生」として厳しくも好意的に評価されていると言えます。

このようにIRSの要請に素直にかつ迅速に応じれば、多少なりの罰金を建前上支払えば、米国国内で営業を継続しても問題ないという事ですね。

また、IRSの要請に応じない場合は、罰金だけではなく刑事事件に発展する事も示唆していますから米国で営業展開をしているタックスヘイブンの金融機関としては、IRSに応じて顧客情報を譲歩するか、それとも米国市場から撤退を検討するのかを迫られていると言えるでしょう。

日本でも海外の個人資産が5,000万円以上の場合は、申告義務がありますが、日本の場合は、海外に住んでいる非居住者の場合は、申告義務はありません。

日本に住んでいる場合は、全世界の収入に対して申告義務があるわけですが、海外居住の場合は、住んでいる国の法律に従って下さいというルールなわけです。

住んでいる場所に従うので属地主義と言われていますが、現在は、世界的にこの属地主義が一般的になりつつあると言えます。

しかし、米国の場合は、属人主義という考え方なので、米国人であれば世界中どこに住んでいようと全世界の収入を申告しなければならないというルールになっています。

そんな中でリヒテンシュタインのような守秘義務が非常に高いと言われるタックスヘイブンにお金を預ける米国人が出てきたりするわけですが、米国IRSとしては、ルールを守らない者は許せないということもあり、まずは、自国で営業展開をするタックスヘイブンの金融機関に対して圧力をかけているというわけです。

アメリカのような属人主義を取っている国は珍しいので、仮に海外に住んでいてもすべての収入をIRSと共有しなければならないアメリカ人は、「かなり気の毒」だと言われることもありますが、母国の税法に従うのは、どの国でも国民の義務なので、義務は速やかに執行したいものですね。

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アメリカ, タックスヘイブン, リヒテンシュタイン

ドイツのエコノミスト2人が「Tax Attractiveness Index」(法人税制の魅力度ランキング)を発表し、話題になっています。

2人は、実行税率や配当税やキャピタルゲイン税や各種控除や他国との租税条約等、16の主要項目を国別に点数をつけて評価。100カ国を対象に2005年〜2009年分を評価し数値化しました。

Tax Attractive Index

税率が一見高く見える国であっても、各種控除が用意されている場合、評価は、高くなることもあるそうです。

アメリカは、100カ国中94位(0.2432)と経済規模は世界一でも法人にとっての税環境は、魅力的と言えないという結果になりました。

日本は、米国よりも若干良かったものの92位(0.2748)でした。法人税引き下げが必要だと強く主張する日本の経済界の見解と一致した結果となりましたね。

一方、評価が一番高かったのは、「タックスヘイブン」と呼ばれる国々ですね。

●バハマ島(1位)0.8125

●バミューダ島(1位)0.8125

また、アジアでは、「マレーシア 0.6886」「シンガポール 0.6798」が高得点でした。

単純な法人税率で国際比較をすることは、いままでも行われてきましたが、名目の法人税と各種控除や租税条約を考慮した「実際に税務的に魅力的な国かどうか」は異なったりするので、このように包括的に見てみた場合はこうです、という主張は、面白いですね。

エコノミストやPh.D保有者は、分野を問わずにこういった「使える研究データ」をどんどん打ち出していけると面白いし、参考になっていいですね。

アメリカ