Offshore

出典:Wikimedia-Commons

中国人富裕層が、中国国外のタックスヘイブンと呼ばれる国々を積極的に活用しているという事が、ICIJの調査で明らかになりました。

ICIJは、世界格好のジャーナリストによって構成された団体ですが、今回は、中国・香港在住の2.2万件の顧客ファイルをオフショア法人の設立代行を行っている業者2社(ポートカリス・トラスト・ネット(Portcullis Trust Net)とコモンウェルス・トラスト・リミテッド(Commonwealth Trust Limited)から入手したとの事です。


オフショア法人を設立すること自体は全く問題ないわけですが、そこにプールされている資金が汚職等の不正により得た可能性があることが問題視されています。

2000年以降、中国本土からオフショア地域に流れ込んだ資金総額は、約1兆ドル〜4兆ドル(約100兆円〜400兆円)だと言われています。

こ中国人富裕層は、いままでかなり積極的にオフショア拠点を活用してきたと考えられます。

過去約10年間で100〜400兆円のお金がオフショアに流れ込んでいるとすれば、年10〜40兆円がオフショアへ流れ込んできたことになります。

40兆円というのは、日本の1年間の税収合計と大差ない額なので、かなりの大きな金額だと言えます。

また、それほど中国人富裕層の中では、資産の分散や保全の手段としてタックスヘイブンが必要とされているということでもあると言えます。

いわゆるオフショアの「タックスヘイブン」と呼ばれる低税率の国々にもいろいろありますが、その中でも中国の富裕層に圧倒的な人気となっているのは、イギリス領バージン諸島(BVI)だとの事です。

今回のICIJによる暴露レポートには、中国の大物政治家も事業家も登場しています。

習近平

例えば、政治家では、温家宝元国務院総理の息子や義理の息子や習近平現国家主席の義兄等がそれぞれオフショア法人のディレクターに就任しています。

また、有名な企業経営者では、中国最大のチャットサービスであるQQを運営するテンセントの代表である馬氏や中国最大の家電小売業者の国美電器の元代表夫妻等が入っています。

このように名だたる中国本土の成功者がオフショア法人を積極的に活用しているという構図が浮かび上がってきました。

日本人富裕層でもオフショア法人を活用している層は、いるはずですが(統計がないので詳細は不明ですが)、これほど積極的には利用されていないのではないでしょうか。

中国人富裕層の場合、やはり、自国の政治不安(共産党への不信感)というのが、資産逃避のモチベーションになっていると考えられます。


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