PLUTOCRATS

新しいグローバル・スーパーリッチの台頭とそれ以外の人すべての凋落について描いた「PLUTOCRATS」(財閥)というベストセラー作家であるジャーナリスト、クリスティア・フリーランドが、TED Conferenceにて2013年6月12日に講演していたので内容をメモしてみました。

テクノロジーとグローバリゼーションが進んだ結果、で我々は、現在、イギリスの工業革命に匹敵する革命の真っただ中にいるとのこと。

この革命で成功した起業家は、かつてない程のスピードで富を蓄積しスーパーリッチとなっているものの、大多数の中流階級の収入は、増えておらず、結果的に経済格差が全世界的にどんどん拡大しているとの事でした。

日本は、米国に比べるとまだまだセーフティーネットも厚く、平等な社会と言えますが、そんな日本でも世帯収入の低下が続く等、中流階級の凋落は始まりつつあると言えます。

経済格差は、著者の言うように全世界的なトレンドとなっており、もはや無視できないトレンドとなってきていると言えます。

(以下、メモ)

・経済格差が拡大している。特に最上位とその他。

・米国や英国が一番ひどいが全世界で経済格差は、拡大している。元社会主義の中国やロシア、その他にインドやカナダや、スウェーデンやドイツやフィンランドでも同じ事が起きている。

・1970年代の1%は、米国総収入の10%を占めていた → 現在は、上位1%は、米国総収入の20%に拡大している。

・さらに驚くべき事実は、最上位に相当する0.1%は、米国総収入の8%に相当 → これは、30年前に上位1%が占めていた割合と同じ。

・ビル・ゲイツとウォーレンバフェットの財産の合計は、下位40%=1億2800万人の富と同じ。

・ウォーレン・バフェットは、PLUTORCRATでありながら、PLUTOCRATという現象を研究している。バフェットによると1992年にフォーブス400に掲載されていた人の合計は、3,500億ドル。

・今日は、1兆7,000億ドルと4倍になっている。

・この間、ミドルクラスの収入は増えていない(減っている可能性もある)。

・こういった変化になぜ、我々は、気付かなかったというと「変化がゆっくりだったから」。

・それに、経済格差を話す事は、「前向きな話」「楽しい話」ではないので話題にしづらい。

・ということで現代は、経済格差の時代。でも、そもそも、なぜ、経済格差が起きているのか?どういった対策ができるのか?

【経済格差の理由①】「低い税制」「規制緩和(特に金融)」「民営化」「労働組合の弱体化」は、超富裕層をさらに豊かにしてきた。

・一言で言うと「クローニーキャピタリズム」:インサイダーの利益になるもののその他大勢に利益にはならない政治体制。

【経済格差の理由②】「グローバリゼーション」と「テクノロジー」。これらが我々の人生を変え、スーパーリッチを生み出している。

・このご時世、いいアイデアがあれば、10億人以上のグローバルマーケットへアクセスできる。そして、才能があってラッキーであれば、かつてない程のスピードで大金持ちになれる。

・例えば、Tumblrの創業者は、わずか26歳でヤフーに1.1億ドルで売却。

・いままでは、「スポーツのスーパースター」は、いたが、今は、「スーパースター」があらゆる業種に。「スーパースターテクノロジスト」「スーパースター銀行家」「スーパースター弁護士」「スーパースター建築家」「スーパースター料理人」「スーパースター歯科医」等。

・一方で、「グローバリゼーション」や「テクノロジー」が、世界をより良い場所にしているのも事実。

・「グローバリゼーション」で貧困から脱出しミドルクラスに入る人増えた。安い製品が手に入るようになった。家電製品は、先進国で安くなっている。

・では、何を懸念しているのか?

【懸念①】経済力と政治力が整えば、上位0.1%が、自分たちの都合の良いように世界を変えていくリスクがある。

・ビリオネアになった層が、自分の都合の良いように政治制度を変えていく可能性もある。

・例えば、スターバーックスやアップル等は、優良企業だが、自社の利益のために国際的な節税を行っており問題視されている。

【懸念②】超富裕層は、昔の貴族のような1つの支配階級になりつつある。教育に物凄い投資をしている。幼稚園で始まり、ハーバードやMITで終る競争。上位1%に生まれていないとそもそもレース自体に参加できなくなってきている。

【懸念③】超富裕層が増えても仕事が増えているわけではない。GMは、何十万人も雇用していたものの、フェイスブックは、1万人以下。

・1990年の後半から生産性が高まっても給与や雇用が増えているわけではない。

・全体の富が増えてもその富が分配されているというわけではない。

・国家や企業は、豊かになっているが、ミドルクラスが豊かになっているわけではない。

【結論】ごく少数の天才的エリートがグーグルのような企業を生み出す中でその他大勢は、マッサージでもするために雇われる事に・・・といった懸念はあるものの過去を振り返ってみると工業革命の結果、最終的に人々は、豊かになっている。革命は成功したと言える。

・ここにいる多くの人がより裕福に、より健康になっている。祖先よりも。

・でも、革命の果実をみんなで分ける方法を学ぶ前に人類としては、1870年と1930年に2回に大恐慌と2回の世界大戦と社会主義革命をロシアと中国で経験している。

・その間、近代国家を創り、健康保険を創り、年金制度や労働組合等も創った。

・今日は、工業革命と同じような経済的な革命期。

今回の革命が上位0.1%の層だけでなく、みんな利益を被れるようにするには、新しいニューディール政策が必要。

(以上、メモ)


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