Bitcoin

出典:Wikimedia-Commons

2013年12月初旬にバンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチのアナリストであるデイビッド・ウー氏がビットコインの適正価格は、最大でも1,300ドルである、というレポートを発行し話題となりました。

ビットコインの適正価格については、ウィンクルボス兄弟のような強気の意見もあれば、18世紀の南海バブルのように今後崩壊するといった意見までいろいろありますが、バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチは、アメリカを代表するメジャーな金融会社でもあり、その看板を掲げた優秀なアナリストからのレポートという事もあり、取り上げてみたいと思います。

デイビット・ウー氏は、ビットコインの適正価格は、次の方程式で導き出せると考えています:

①ビットコインの「交換機能」としての適正価格(最大値)=B2CのEコマースで50億ドル(約5,000億円)+決済手段として45億ドル(約4,500億円)=合計95億ドル(約9,500億円)

→2012年の米国の個人消費は、11兆ドルに。世帯の預金及び現金の合計は、0.7兆ドルに。後者を前者で割ると0.07という速度が割り出される。過去10年間の平均速度は、0.04。米国の一般世帯は、1ドルの年間個人消費の中で4セントを現金に近い形で保有。

→2012年の全米のB2CEコマースの流通額は、2,240億ドル(約22.4兆円)。Eコマースの領域でも消費のスピードが変わらないと仮定した場合、一般世帯は、Eコマース上での消費用に100億ドル(約1兆円)は必要。

→ビットコインが、インターネットショッピングの約10%のシェアを占めるようになった場合、米国の一般世帯は、約10億ドル(約1,000億円)のビットコインが必要に。

→米国のGDPは、全世界のGDPの約20%なので、仮にEコマースが、世界その他の地域でも進展し、消費が米国外でも同じ速度で進んだ場合、50億ドル(約5,000億円)分のビットコインが必要に。

→Eコマースでのビットコインの役割とは別にビットコインには、決済手段としての側面も。その価値を評価してみる。

→全米の上位決済業者であるウェスタン・ユニオン、マネーグラム、ユーロネットの平均時価総額は、45億ドル(約4,500億円)。ビットコインがこれら上位3社と同様の規模となった場合、ビットコインの決済手段としての市場価値は、最大で45億ドル(約4,500億円)だと考えられる。


②ビットコインの「価値保全機能」としての適正価格(最大値)=50億ドル(約5,000億円)

→ビットコインと金が似ている点は、⑴金利が発生しない、⑵供給が制限されている、⑶現金を除けば大半の金融資産と比べトラッキングが難しい、という点。

→金の延べ棒やコインやETFの価値は、約1.3兆ドル(約130兆円)。

→しかし、ビットコインは、金と同じ市場価値は実現できないと考えている。

→理由としては、ビットコインは、金と比べて価格変動が激しく、過去2年間を見てみると金よりも平均5倍高いボラティリティーが実績値としてある。つまり、その他条件が同じなのであれば、金と比べて5倍リスクが高いということ。

→ビットコインのボラティリティーが下がるか金の価格が上昇しない限り、ビットコインの市場価値が、3,000億ドル(約30兆円)を上回る事は難しいと考えられる。

→また、金は、価値の保全手段として1万年以上の歴史があるので、ビットコインが競合するには、時間が必要。

→ビットコインが、シルバーと同様の評価を得られた場合(それも非常に難易度は高いと考えられるが)、ビットコインの市場価値は、50億ドル(約5,000億円)に達する可能性も。

→参考指標としては、1986年以降生成された米シルバー・イーグルのシルバーコインの合計量が、約12,000トンで約80億ドル(約8,000億円)の市場評価がある。

③ビットコインの市場価値(最大値)=①+②=大体150億ドル(約1兆5,000億円)

④ビットコインの適正価格(最大値)=1,300ドル(約13万円)

この計算方式では、次の2点を前提としています:

⑴ビットコインがEコマース及び決済手段として主要なものになること

⑵ビットコインの価値保全機能がシルバー(銀)とほぼ同じくらいの評判を短期間で獲得できるということ

それで辿り着いた最大の評価額が、150億ドルで、1ビットコイン当たり1,300ドルとの事です。

また、最終結論としては、2013年に入ってから100倍も高騰したビットコインの価格は、ファンダメンタルから乖離したものとなっていると結論づけています。

デイビッド・ウー氏の分析は、さまざまな切り口から多面的にビットコインの将来価値を分析しているので、勉強になりますね。

ただ、凄腕アナリストの見解はもっともらしく聞こえるものですが、結果的に振り返ってみると当たっていなかった、という事もよくある話です。

ビットコインのような新しい領域の将来価値を考える上では、将来価値は、考え方次第というところがあるので、一人一人が情報収集をした上で自らのフレームワークで判断していくのが一番良さそうです。


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