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無料ストレージサービスを展開するドロップボックスの競合サービスであるボックス・ドットコム(Box.com)が、IPOを申請しました。

ドロップボックスは、主に消費者向けに無料ストレージサービスを展開してきましたが、ボックス・ドットコムは、事業者向けに事業を展開してきたのが、大きな違いとなっています。

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目論見書によれば、ボックス・ドットコムは、既にユーザー数2,500万人のユーザーと3.4万社の有料会員(事業者)を保有しているとのことです。

主要KPIも毎年100%以上の伸びを見せていて事業は、順調に拡大している模様です。

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また、直近の売上高(Revenue)も2011年12月末には、約2,106万ドル(約21.06億円)だったのが、2014年1月末には、1.24億ドル(約124億円)に達しており、わずか2年間で売上高が、6倍になるという驚異的なスピードで成長していることがわかります。

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しかし、肝心の損益の方を見てみると純損失(Net Loss)の方も拡大しています。2011年12月末の純損失は、5,027万ドル(約50.27億円)でしたが、2014年1月末の純損失は、1.69億ドル(約169億円)と、こちらも約3倍拡大しています。

同社の現金残高は、2014年1月末時点で1.09億ドル(約109億円)となっているので、昨年の勢いで現金を燃やし続けた場合、今年の後半には、現金が枯渇してしまうことになります。

そこで、IPOで資金調達をしよう、ということになったのだと思われます。

ここでIPOに成功し、予定している2.5億ドル(約250億円)の資金調達に成功すれば、向こう2〜3年間の資金繰りの不安は、ほとんどなくなるというわけです。

こうして中身を見てみるとストレージサービスの経営は、資金力がモノを言うレッドオーシャン状態になっていると言えそうです。

同社は、2005年に設立されているので、もうすぐ設立10年目となりますが、まだ赤字幅が拡大する先行投資期間から抜けさせておらず、資金繰りもギリギリであろう状態が見えてくるのが、気になるところです。

また、先行投資をした後に黒字転換をしていく際には、経営陣、特に代表者の「力」が重要となってきますが、ボックス・ドットコム社の場合、創業者は、29歳と若く健在であるものの、株式の持分がかなり少なくなっています。

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目論見書によれば、経営者であるアーロン・レヴィー氏(29歳)の株式の持分は、既に4.1%となっています。

一方、大株主は、ベンチャーキャピタルのドレイパー・フィッシャーで25.5%を保有しています。

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日本の場合、ベンチャーキャピタルが大株主の会社で、創業者の持分が極端に少ない独立系のベンチャーは、あまり上手くいかない傾向があります。

また、IPO後も成長を続けているインターネットサービス企業の大半は、創業者が、IPO後も経営権(33%以上)を保有し、自らが軸となっているケースが多いと言えます。

一方、文化圏の異なるシリコンバレーでは、IPO時に創業者の持分が、5%を切る、というのもさほど珍しくなりのかもしれません。

このような懸念点は、あるものの、現在は、株高なので、IPOでは、高い評価額を得られそうです。

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