ベバリーヒルズ

1950年代半ばに大学の学費を不動産の賃料で賄いたいという男性がカリフォルニアのベバリーヒルズにいました。

息子が生まれた際に祖母からもらった4,000ドルを信託に入れ、利息が積み重なるようにすれば、息子が21歳になる頃に5万ドルになるという事はわかっていましたが、父親は、商業不動産に投資する事を選びました。

そして、4万ドルの商業不動産を4,000ドルの頭金で購入し、売り手に3万6,000ドルを金利6%の20年ローンで負担してもらいました(これは、米国では、時々使われるセラーファイナンスという売り手が負担するローンとなります)。


面白いのは、不動産の名義は、信託を通じて息子名義になっており、息子個人が100%保有している形になりました。父親は、その信託の委任者(Power of Attorney)となっていたわけです。

そして、家賃からローンの支払いや固定資産税や保険料やメンテナンス費用を賄って行ったというわけです。

ベバリーヒルズ

その後、無事に20年が経過し、ローンの支払いも終わりました。その頃には、不動産価格は、10倍に上昇し40万ドルになっていました。

父親の賢明な判断により息子の純資産は、40万ドルになり、大学の費用も賄え、かつ、人生をスタートするのに十分な良い資産を得られたというわけです。

祖母からもらった4,000ドルをそのまま信託に入れていても金利の蓄積で5万ドルにはなりましたが、不動産は、それ以上のリターンがあり、かつ、ローンがなくなった後も毎年賃料を生み出してくれたというお話でした。

子どもには、いい人生を歩んで欲しいと思うのが親心ですが、教育やマナーや各種スキル(運動や音楽等)といった「無形資産」に注力しつつも、不動産のようないわゆる「実物資産」を買い与えてあげるというのも親が子にできる事の1つだと言えます。

ローンを組んで不動産を購入する場合、頭金も少なく済みますし、子どもには、時間という大きな強みがあるのでそれを上手に将来に向けて役に立てあげるのは、親の才覚だと言えますね。


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