米国で最も貧しい街の1つ、ニュージャージー州カムデン

米国で最も貧しい街の1つ、ニュージャージー州カムデン

未来予想が当たるというので有名な人気エコノミスト中原圭介氏は、自身のメールマガジン「金融リテラシーを磨く」2013年8月7日号でアメリカを「貧困大国」と位置づけました。

金融危機後にFRBのバーナンキ議長はデフレ経済への転落を払拭するために、量的緩和を通じて何が何でもインフレにしようと考えました。それが、その後のQE1、QE2、QE3とつながっていきます。

その結果、アメリカの株価は右肩上がりに上昇を続けています。もともとアメリカは日本と違い、国民が金融資産の半分以上を株式で持っている国ですから、株が上がることはそのまま国民の資産が増えることを意味しています。

しかし、それは見かけ上の話です。国民が金融資産の半分以上を株式で持っているといっても、一握りの富裕層が平均値を押し上げているだけであって、実際には金融資産を持っていない国民が大半なのです。

その証拠に、富裕層が主たる顧客であるメイシーズなどの高級百貨店の売上げは2ケタのペースで増え続けていますが、一般国民が顧客であるウォルマートの売上げは横ばいで増えていないのです。

アメリカ国民の平均所得は2006年から大きく下がっている一方で、物価は量的緩和の効果もあって年2%程度の上昇をしています。これは、名目以上に実質的な所得が減っていき、国民生活が徐々に苦しくなっていくということに他なりません。

アメリカでは現在、6人に1人が貧困層、3人に1人が貧困層および貧困予備軍と言われるまでに格差の拡大が進んでいます。アメリカはまさに「貧困大国」と言っても差し支えないかもしれません。

大規模な量的緩和は、所得の再分配を引き起こします。最も恩恵を受けるのは富裕層、恩恵を全く受けないのが一般国民ということになります。

実際、アメリカの経済格差は激しいものがあり、世界で一番多くの超富裕層が暮らしている国であり、豪邸物件に暮らす大富豪がいる一方でいわゆる「普通の人」の生活は、どんどん悪化していたりします。

さまざまな社会政治的な課題はあるものの「普通の人」にとっては、中流階級がまだ健在で、経済格差の激しさも(アメリカと比べると)緩やかな日本の方が暮らしやすいと言えます。

中原氏が言及するように大規模な量的緩和は、経済格差を促進してきた経緯があり、今は人気が後押ししていて盛り上がっているアベノミックスですが、一度、波が引き始めると国民生活は良くなるどころかさらに疲弊してしまったという状態になってしまう事が懸念されます。


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