Japan

アメリカのヘッジファンドマネージャーで約20億ドル(約2,000億円)を運用するカイル・バス氏が、2012年11月にバージニア大学で行った講演が公開されています。

同氏は、「日本破綻論」を数年前から展開していることで知られています。

これは、14ヶ月前の講演となりますが、その時に話した内容を見てみたいと思います。

(以下、メモ)

●データは、過去数年間の我々の仮説を立証してくれている。

●昨年は、ギリシャがどうなるか、というのが、注目された。

●そして、ギリシャに対して債権を持っていた場合、1ドルに対して90セントを失う結果となった。それでも、ギリシャの債務問題は、解決していない。

●GDPに対する借金は、350%。

●200兆ドルの借金となる。世界のGDPは、約60兆ドル(約6,000億円)。

●私たちの仮説は、「世界的に低い成長率が続く」「それでもやりくりできなくなり、債務整理が必要な国が出てくる」ということ。

●こういった仮説を持ちながら投資をしていくのは、非常に難しく、過去数十年の中で最も難しい。

●今は、借金のスーパーサイクルが終わろうとしている局面。タイミングは、各国において異なる。

●アメリカでは、マイナス金利が起きるかもしれない。これは、学者としても市場参加者としてもおかしなことだと思うが、議題には、あがっており、実現する可能性も20%くらいあるかもしれない。

●私たちが、投資をする時のポイントは、期間を短くし、リターンをできるだけ高くすること、そして、日本へのポジションを維持することを意識している。

●日本は、過去2ヶ月でもう後戻りできない境界線を超えてしまった、と考えている。


●過去2ヶ月で貿易収支は、悪化している。約10兆円近くのマイナス。

●また、尖閣諸島を巡る中国との対立で約1.5%のGDPマイナスが見られる可能性がある。

●2012年10月には、経常収支が赤字になるかもしれない。これは、誰も準備できていないこと。

●人口減少中の単一民族で、貿易収支は、赤字。GDPは、マイナス3.5〜4%。日本は、これから深刻な危機に見舞われる可能性が高い。

●これから通貨とどう付き合っていくのかを考える必要が出てくる。我々は、過去2ヶ月で円安へ転換するトレンドが始まったと考えている。次の12〜18ヶ月で円は、弱くなっていく。

●日本は、チェスゲームにおけるチェックメイトのフェーズに入ろうとしている。これは、最近起きたこと。

●2012年10月のデータで円安になるかもしれないが、わからない。

●私は、特定のデータに執着しているわけではなく、70年間続いてきた借金のサイクルがいつ終わるのかを予測できるとは、考えていない。

●しかし、目の前の事実を見てみる。日本の貿易収支や経常収支や過去6年間で10年の財務省がいたことや過去数週間で日銀の独立性が犯され始めている。

●先週、文部省と日銀と政府のジョイント、プレスリリースでデフレを克服するという話があった。これは、バーナンキ、ガイトナーとヒラリー・クリントンが、共に共同声明を発表するようなもの。

●このように中央銀行の独立性を犯し、政治家が経済政策に介入していくことで国は、崩壊していく。

●選挙は、12月16日だが、安倍氏は、3%のインフレを希望している。しかし、そこに到達すれば、爆弾が爆発する。

●次の12ヶ月にそれが起きるというのは、ナイーブな見解だ。

●国債暴落の危機と円の大幅安が起きる材料は、すべて揃っているが、いつそれが起きるかは、わからない。

(以上、メモ)

このインタビュー内容では、「円安トレンドが始まったと考えている」という点については、明言しており、これは、実際に振り返ってみると2012年10月・11月以降、円安は、急速に進み、その通りに推移したと言えます。

USD/JPY

出典:Yahoo Finance

その他の日本破綻論(国債暴落、円安の大幅進行)については、「いつ起きるかわからない」と主張し、期限については、触れていません。

カイル・バス氏は、サブプライム・ローンバブルの崩壊やギリシャの債務整理をいち早く予見し、大勝ちしてきたという実績があります。

一方、昨年には、JCペニーの発行済株式の約5.2%を取得し、株価下落後に損切りをするといった小さな失敗もしています。

同氏の日本経済に関する仮説が実現するかどうかは、わかりませんが、今後の経済政策に期待しつつも万が一、大幅な円安になっても影響を最低限に抑えられるよう外貨や外国株式等を保有し、自分なりに出来る範囲で防衛策を取っておけば安心ですね。