カイル・バス

日本の経済に対して悲観的である事で有名なヘイマン・キャピタル・アドバイザーズのカイル・バス(Kyle Bass)が、ヘッジファンド・アドバイザーであるスティーブン・ドロブニーのインタビューを受けています。

カイル・バスは、サブプライムローンバブルの崩壊を予見した事で頭角を表し世界的に有名となったヘッジファンドマネージャーの一人です。

その後、ギリシャ経済の破綻も早い段階から予見しており、2010年頃から日本経済の破綻を不可避なものとして発言しています。

日本経済が破綻する事で利益得られるポジションを組んでいるので、ポジショントークだという事は、踏まえておくべきですが、過去に早い段階で大きなトレンドを言い当ててきたという実績もあるので、日本への仮説が当たるのか撤回となるのかは、興味深いところです。

以下、インタビューの中で日本について触れている部分を抜粋したものです。全文は、誰でもドロブニー氏のサイトから無料でダウンロードが可能です。

(以下、メモ)

●今は、日本に集中している。なぜなら、日本の借金は、14兆ドル(約1,400兆円)となっていて、人口は、アメリカの3分の1であるにも関わらず借金の額は、アメリカと大差ないため。次の二年間で世界的なショックが起きるだろう。まだ、多くの人は、日本が置かれている重い状況に気付いていない。

●日本には、数週間滞在した事がある。京都と大阪にも行った。日本の文化や経済問題に関する膨大な量の書籍に目を通している。日本の銀行や保険会社や年金機構とも対面していて状況は、把握している。

●中央銀行が自国通貨でお金を刷れば、その国が破綻する事がないというのは、中央銀行の考え。それが、事実であれば、嬉しいが、過去2,000年の歴史を振り返ると必ずしも事実ではない。また、それが、真実であれば、金融政策等設けずにお金を好きなだけ使っても良いのではないか。政策立案者が、金融緩和の代償はないと信じていても代償は、必ず訪れる。経済の法則からは、逃れられない。

●もしも、私の日本への仮説が正しかった場合、次の起きるのは、戦争だと考えられる。日本は、第二次世界大戦後は、憲法によって戦争宣言が出来なかったが、現在の首相である安倍首相が、憲法改正を進めようとしている。どこと戦争になるかはわからないが、中国と日本はあまり仲が良くないと理解している。


●日本の人口の3分の1は、60歳以上。4分の1以上は、65歳以上。世界の先進国で65歳以上の平均は、約8%。こういった年齢の人たちが、人生で最もお金が必要な時に貯金の30〜40%かそれ以上を失う事になるので、実際に何が起きるかはわからないが、社会の連帯感は、切り裂かれてしまう可能性が高い。

●日本が経済危機に陥っても日本の銀行決済システムは、支障なく動くだろう。あなたが想定している価値以下の支払いとなるかもしれないが、支払いは、されるだろう。

●現在、一番大きなバブルは、日本円の購買力。

●日本円は、500円になる事はないと思うが、経済危機で想定以上に急落する事はあり得る。

●今年の円安は、始まり。本格的な動きは、為替の管理が難しくなった時に起きる。

●日本が「買い」に転ずるのは、日本円が350円になって借入金がなくなった時。

●次の10年間、自分のお金で1つしかトレードできなければ、日本円で金(ゴールド)を買うと思う。簡単な答えだ。

(以上、メモ)

2013年は、株価上昇や東京オリンピック開催等の明るいニュースもありましたが、カイル・バス氏は、自身の仮説は、曲げておらず、むしろ確信を強めているような印象を受けます。

日本円で金を買うと良いのではないか、という具体的なアドバイスも提供しているので、気になる人は、資金分散で許容できる範囲内で検討してみもいいかもしれません。


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