US GDP

ビジネスウィークが、経済危機後の世界を理解するために2008年〜2013年の経済統計情報をチャートにまとめています。

チャートから見えてくるのは、リーマンショックやサブプライム問題等が表面化した米国経済ですが、それから数年を経て、米国は、経済危機から回復し、再び成長路線に戻っているという事です。

S&P

株価は、経済危機以前の水準に戻っており、米国の企業利益の約1/5が金融セクターから生み出されているという構図も元に戻っています。

ファイナンス

このように株価は回復し最高値を更新し、金融セクターが強い構図も変わらず、GDPは、一時的に下落したもののすぐに回復sh、着実に伸びているというのが、経済危機後の世界です。金融危機の「傷」は、米国経済にとっては、少なくとも表面上は、「過去のもの」となりつつあると言えます。

一方、一般米国民の方は、未だに金融危機の「傷」から抜け出せていない状態です。

世帯収入

まず、米国世帯の世帯収入は、2007年時から下降線を辿っています。米国の一般世帯は、どんどん貧しくなっていると言えます。

失業率

その背景として失業者の中で27週間以上失業が続いている長期失業者の割合も高まっています。2010年のピークからは、下がっていますが、2007年時と比べると長期失業者の割合は、確実に増えている状態です。

住宅ローン

また、住宅ローンの焦げ付きの割合も2007年時と比べると倍近くになっています。焦げ付きも2010年初頭にピークを経て以降は下落傾向にあるものの2007年と比べると依然と高い状態が続いており、住宅ローンの返済に困っている家庭が増えている事が読み取れます。


このように米国の一般家庭を見てみると長期失業者が増え、世帯収入は下がり、住宅ローンの返済に困窮している家庭も増えており、全体的に2007年と比べると状況は、苦しくなっていると言えます。

理由としては、先進国の労働者の場合、グローバリゼーションによる雇用の自由化で新興国と比べるとどんどん競争力がなくなっているということが挙げられます。

先進国で年収500万円の人を雇用するよりも新興国で年収50万円で同じスキルの人材を採用できればその方が雇用主である民間企業にとっては良いので、民間企業は繁栄するものの、先進国の労働者は、代替可能となってしまうというわけです。

つまり、時間が経てば経つほど先進国の普通の労働者にとっては、状況は不利になっていってしまうというわけです。

日本の場合は、日本語と日本文化という特殊な壁に守られているので、普通のサラリーマンの仕事をインドや中国の大連にアウトソースすることが英語圏と比べるとはるかに難しいので、影響は最低限に留まっています。

しかし、世界的には、アメリカやイギリスの普通の労働者の仕事はどんどん減り、より安い賃金でも喜んで意欲的に働くインドやフィリピン人労働者が力を蓄えつつあります。

このような背景があり、経済危機後悪化した米国の一般世帯と回復した米国経済ですが、今後は、他の先進国でも米国と同じように「一般家庭」は悪化し、民間や政府はさほど影響を受けないという構図が続いていきそうです。


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