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ツイッターのIPOで気になった点の1つに「赤字でもIPOしている(できる)点」について触れましたが、米国では、「赤字でもIPOするIT企業」が今年に入り急増しています。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、今年IPOとなったIT系企業28社の内19社が直近1年間で赤字だそうです。実にIT系企業のIPOの68%が赤字上場となるわけです。

「赤字」という事は、利益が出ていないという事ですが、赤字でもその会社の株式を一般公開した際に「買いたい」と思う投資家が多いのが現状だという事になります。

なぜ、赤字でも「買いたい」という心理が働くのかというと「今は赤字でも将来成長して、黒字化する」という「期待値」が働くからです。


例えば、アマゾンは、立上げから長い間赤字経営が続いており、上場時も上場後も長い間赤字を垂れ流していたのは、有名な話です。

それでも良質なサービスと規模の拡張を進めた結果、黒字化も果たし、現在では、世界最大のEコマース企業となっています。

結果、赤字経営でサービスを拡張していた頃に周囲から批判されながらもアマゾンに投資をしていた投資家は、大きなリターンを得ています。

このようにIPO時に赤字であっても将来的に黒字化した実例は確かにあるわけですが、逆にIPO時に赤字でその後も赤字が続いた事例というのもあるわけです。

実際にITバブル崩壊後に多くのIT企業が日本でもアメリカでも倒産しましたが、その理由の1つに経営基盤がしっかりしていなかったため黒字化する前に資金が枯渇してしまったという事があります。

このような失敗経験があるので、日本では、IT系企業がIPOをする際には、黒字経営というのが今では、定着しており、赤字上場はほとんど見られなかったりします。

しかし、アメリカでは、ダウ株価が過去最高値を更新する等明るいニュースが続いていたという事もあり、投資家は、かなり強気になっていると言えます。

ITバブルの頃と比べると赤字IT企業がマネタイズする方法は、確率されつつあるので、将来の業績は予見しやすくなってきていますが、それでも「期待値」を先行して募ったものの「赤字」というフェーズを抜け出せない企業も出てくるでしょう。

証券市場では、冷静に振り返ってみると「明らかにおかしい」とわかる事でも当然のように皆が受け入れている事がしばしばあったりしますが、今回の赤字IT企業によるIPOも5年後に振り返ってみるとITバブル後の第二の狂気の幕開けと認識されているかもしれません。


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