800px-US_Army_soldiers_in_a_firefight_near_Al_Doura,_Baghdad

シリア開戦間近となっていますが、そもそもなぜ、アメリカは、シリアと戦争をするのかという事について考えてみたいと思います。



振り返ってみれば、アメリカは、イラク戦争でも「大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction)をイラクが保有しているので脅威だ」という前提で戦争を始めましたが、結果的には、「イラクには、何もなかった(大量破壊兵器はなかった)」という事が事後判明しています。

グリーン・ゾーン

この事は、マット・デーモン主演の「グリーン・ゾーン」という映画でも再現されていて、「米国政府は、大量破壊兵器があると「嘘」をついてイラクに攻撃を仕掛けた」という事は、米国知識人の間では、公の認識となりつつあります。

今回のシリアとの開戦では、「アサド政権は、化学兵器をシリアの一般国民に対して使用している」という建前として報道されていますが、本当の理由は別のところにありそうです。

それは、10月中旬に起こる米国国内の「財政の崖」問題です。

10月中旬には、米国政府の債務上限値に米国政府債務が達する予定です。債務上限値に達すると新たに米国政府は、政府債務を増やすことができないので、議会の承認を経て債務上限値を引き上げる必要があります。

しかし、共和党と民主党が双方の利益を主張する中、合意は、容易ではなく、前回も合意に数ヶ月の時間がかかっています。

債務上限値があるのであれば、それを引き上げれば解消するわけですが、米国議員の中には、「健全な財政規律が重要」と考える保守派もいたりするので、議会で対立構造が生まれてしまい、合意まで時間がかかってしまう可能性があるというわけです。

「財政の崖」の問題は、かなり深刻で今回の10月中旬に債務上限値の引き上げが決まらない場合、米国政府は、デフォルト(支払不能状態)に至ることになります。

それだけ米国政府の財政状況も「ギリギリやりくりしている」という状態だということですが、債務上限値の合意にタイムリーに至らない場合、デフォルトとなってしまうので、それを回避する手段として「戦争」があると考えられます。

財政の崖

「財政の崖」問題を議論する米国議員

というのも一旦、戦争が始まってしまえば、「戦争」こそが米国国民の最大関心事項となるので、「健全な財政を!」といった主張を貫いている議員は、「国の有事に何を言っているのか」と逆に批判をされてしまう可能性すらあり、結果的に「財政の崖」は、回避しやすくなるからです。

ちょうど8月は、米国議会も休みだったりするので、物事を進めるタイミングとしても良かったりします。

これは、あくまでも1つの「推測」に過ぎないわけですが、過去の米国の戦争実績を見ても「建前は嘘だった」という事実があるので、メディアの報道はそのまま受け取らない方が良いかもしれないですね。


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