ゴードンゲッコー

SACキャピタルアドバイザーズは、米国ヘッジファンド業界の中でもトップクラスの業績を長年挙げ続けてきましたが、インサイダー取引で元社員の逮捕が相次ぎ、2013年7月末にニューヨーク連邦地検にインサイダー取引の疑いで刑事追訴されました。

SACキャピタルは、ヘッジファンド業界のスター的存在であったという事もあり、今回の事件は、ヘッジファンド業界の今後に影響を及ぼす可能性が高く、ウォール街でも事件の影響が飛び火することを懸念していると言えます。

SACキャピタルは、150億ドル(約1兆5,000億円)を運用しており、元本にレバレッジをかけるためにウォール街から借入を行っているとされ、公表されている総資産額は、500億ドル(約5兆円)とされています。

SACキャピタルアドバイザーズ

しかし、500億ドルというのは、決算のタイミングでの一時的な状況を表しているに過ぎず、CNBCによると管理下の総資産は、最低でも数千億ドル(約数十兆円)あるはずという見解が主流となっているようです。

こういった資金を運用するためにSACキャピタルは、バンク・オブ・アメリカ、メリル・リンチ、バークレイズ、BNPパリバ、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、シティグループ、クレディスイス、ドイチェバンク、UBS等ウォール街の主要なブローカーと取引をしてきました。

しかし、ここで事件化が確定し、インサイダー取引容疑が確定した場合、ドッドフランク法案の現行改正版では、不正取引を事前防止できなかった事についてウォール街の方が責任を問われ、有罪となる可能性が少なからず出てきています。

通常であれば、仲介業者である証券会社の責任を追求するのは難しいと言えますが、SACキャピタルの場合、その取引規模が巨大だったが故にSAC専属の社員というのが各取引機関に配属されており、SACキャピタル専属のキャリアパスが用意されていた程仲が親密だったというので、そのような可能性が示唆されているというわけです。

いままでは、米国国民からすると有罪判決に相当するような事件でもウォール街絡みは、和解で終わり、有罪判決に至らない事が多い事から「UNTOUCHABLE(無敵)」と讃えられてきましたが、SACキャピタル事件がどのような結末を迎えるのかは、興味深いところです。

ヘッジファンド業界は、2013年第一四半期で2.735兆ドル(約273.5兆円)を運用しており、SACキャピタルのように運用元本にレバレッジをかけて取引をしている事が多く(ただし詳細は不透明)、直接影響を及ぼす経済規模は無視できないレベルになってきると言えます。

そんなヘッジファンド業界での中枢での事件ということもあり、取り上げてみた次第です。


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