システミックリスク

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2008年のリーマンショック時の金融機関が抱えていた「システミック・リスク」を数値化したグラフをノーベル賞を受賞しているロバート・エングル教授が発表しました。

「システミック・リスク」(SRISK)というのは、エングル教授が開発した各金融機関の規模やレバレッジ比率やリスクを考慮した上でどれくらいの割合でデフォルトが発生するかという指標です。

このグラフの興味深い点は、2008年に破綻したリーマン・ブラザーズは、最も「システミック・リスク」が高い金融機関ではなかったという点です。

2008年当時一番リスクが高かったのは、実は、1位「シティーバンク」であり、2位「JPモルガン」、3位「バンク・オブ・アメリカ」でした。

こういったリスクが高かった金融機関がデフォルトを回避するために必要としていた資本は、約7,000億ドル(約70兆円)とエングル教授は、算出しており、丁度その金額は、TARPで米国政府が財政出動した金額と合致しています。

リーマン・ブラザーズは、このグラフによれば、約480億ドル(約4兆8,000億円)の資本を必要としていた事になりますが、それを確保できなかったために破綻しています。

リーマンブラザーズ

また、「2008年から5年経過して何が変わったのか?」というのを考える上で2008年8月28日の「システミック・リスク」と2013年9月20日の「システミック・リスク」を比較してみました。

1位 JPモルガン 19.2%(2008年8月29日約10%)

2位 バンク・オブ・アメリカ 14.4%(2008年8月29日約9%)

3位 シティグループ 13.3%(2008年8月29日約13%)

4位 メットライフ 8.9%(2008年8月29日約2.5%)

5位 プルデンシャル・フィナンシャル 8.1%(2008年8月29日約2%)

6位 モルガン・スタンレー 7.8%(2008年8月29日約6.5%)

7位 ゴールドマン・サックス 6.2%(2008年8月29日約5.75%)

8位 ハートフォード・フィナンシャル・サービス 3.3%

9位 キャピタル・ワン・フィナンシャル 2.9%

10位  リンカーン・ナショナル・コープ 2.7%

このランキングを見てみると2013年で最も「システミック・リスク」が高いのは、1位「JPモルガン」、2位「バンク・オブ・アメリカ」、3位「シティーグループ」となっており、これら三大金融機関の抱えるリスク度合いは、5年前と比べるとむしろ悪化していると言えます。

2008年に破綻したリーマン・ブラザースのシステミック・リスク指数は、約4.5%でしたが、そのリーマン・ブラザーズが破綻した事で世界同時不況に一気に突入しています。

また、2008年当時のシステミック・リスク指数がわずか2%だったワシントン・ミューチュアルも破綻しています。

2013年9月20日時点では、システミック・リスク指数が、19.2%にも肥大化したJPモルガンを筆頭にリスク指数が2008年よりも悪化している金融機関がたくさんある状態なので、次なるリーマンが起こりうる土壌は、十分に揃っており、注意が必要だと言えます。

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