FRB

2013年9月17日と18日で年に最低4回開催される金融政策会合(Federal Open Market Committee – 通称FOMC)が開かれます。

世界の基軸通貨かつ世界最大の経済大国である米国の金融政策を決めているFOMCの意思決定は、世界経済へのインパクトも大きく注目が集まります。

今回のFOMCの焦点は、「金融緩和(QEIII)を縮小していくのかどうか?」という点になりますが、「縮小するのではないか?」という懸念から既に新興国の通貨は、インド・ルピーやインドネシア・ルピアやブラジル・レアルを中心に売られてきています。

現在、米国では、金融緩和として月に約850億ドル(8兆5,000億円)の買入を行っており、450億ドル(約4兆5,000億円)を米国債に、約400億円(約4兆円)を住宅ローン債の購入に充てています。


これだけ大きな「買い手」の役割を米FRBが担っているためダウ株価は、過去最高値を更新し、米国経済も回復中ですが、一番大きな「買い手」が財布の紐を緩めれば、米国経済及び新興国経済にとって「つらい局面」が訪れるのは間違いありません。

そんな状況ですが、FOMCで考えられる3つのシナリオをWSJがまとめていたので、要点をメモしてみました。

(以下、メモ)

シナリオ⑴ まず、米国債の買入枠分から段階的に減らしていく

理由としては、米国債よりも住宅ローン債の方が経済への影響が大きいため。

住宅ローン債の購入は、住宅ローン金利を低く維持することにつながり、結果的に米国民の住宅購入を促進する事を促しているのに対して、米国債の購入は、米国政府の借入金利を低く抑えていて米国政府の役には立っているものの一般米国民は効果を感じづらい。

また、5月以降住宅ローン金利は、既に1%以上上昇しており、ここで住宅ローン債の買入枠を縮小してしまうと金利はさらに上がり、住宅購入が冷え込み、回復してきた住宅価格も落ちてしまい不景気に転じてしまう懸念もある。

シナリオ⑵ 米国債と住宅ローン債の買入れ枠を同じ比率で同時に段階的に減らしていく

背景としては、FRBの過去の金融政策は、複雑でなかなか投資家に理解されず、市場で混乱を招いてしまったという反省があるので、今後は、「わかりやすさ」に重きを置いていきたいという見方です。

また、住宅ローン債の買入は言われているほど効果はなく、米国債と同時に買い入れ枠を減らしても問題ないのではないかという反論もあるようです。

シナリオ⑶ 米国債買入も住宅ローン債買入も効果がないので止めてしまう

FRBの一部には、現行の量的緩和策は効果がないので、止めるべきだという考えの一派もいるようです。

しかし、これは、ごく一部であり、大半は、⑴か⑵かという判断を迫られていると言えるでしょう。

(以上、メモ)

現時点では、⑴の可能性が高いというのが、エコノミストの見通しです。

また、シナリオ⑷として買入れ枠は減らしていかない、という選択もあり得るわけですが、現状の米メディアを見る限り、今回のFOMCは、買入れ枠を減らしていくという前提で何をどれくらい、どのように減らしていくのかを決める場という風な期待をされていると言えます。

ちなみに⑴の通り米国債の借入枠が減った場合、日本に米国債買い入れの役割が転換される恐れがあります。

また、米国の量的緩和枠が減った場合、円安がさらに進む可能性があります。円安は、日本政府にとっては、嬉しい話ではありますが、日本国民にとっては、円安に振れた分だけ実質的な購買力が失われるという事になってしまいます。

経済では、上の者の判断が下の者の資産や購買力に与える構造があるので、すべての中央銀行の最上位に在るFRBの動向は、定期的にチェックしておきたいですね。


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